大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

ペリン・デル・ヴァーガ 2

ヴァーガは1520年代初期に、フィレンツェとローマのマニエラを合わせた大様式をつくり上げた。その根底にある古典主義的安定性は君主たちの宮廷的壮大趣味に受け入れられ、続くヴァザーリやサルヴィアーティに影響を与えた。
1527年の「ローマ劫掠」によって仕事がなくなったヴァーガは、ジェノヴァのドーリア家の宮殿の装飾をおこなった。アンドレア・ドーリアはカール5世の庇護を受けて、ジェノヴァを守ることができ、その政治的「勝利」を宮殿装飾に示そうとした。装飾の意匠はパオロ・ジョヴィオの考案で、カール5世の支配下で、海神アンドレア・ドーリアによって英雄の黄金時代が復活するというもの。「巨人の間」の天井には、同時期のジュリオ・ロマーノの主題・構想とおなじ「巨人族の没落」が描かれた。